JW Marriott Hotel Tokyo は、2025年10月29日に高輪ゲートウェイシティで開業した新しいホテルです。
その場で感じた雰囲気を、映像と音で表現してみたので、まずは動画をご覧ください。
JW Marriott というブランド自体は「Stay in the Moment」を掲げ、 マインドフルネス(Mindfulness)や ウェルビーイング(Well-being)を軸にしています。 ホテル公式でもここは「A Tranquil Urban Retreat in the Heart of Tokyo」と表現されていて、 「禅の思想や御殿山の自然から着想を得た、静かな都市の隠れ家」として紹介されています。
こういった抽象的な言葉は、正直泊まってみないと分からないことが多いです。
でも今回の滞在では、その“静かさ”や“整えられた高級感”のようなものが、確かに空間の中にありました。 一方で、そこに身を置いていると、別の問いも浮かんできます。
それは、 高級と贅沢は同じものなのか?そして、贅沢とは何か?ということです。
今回のJWマリオット東京は、 贅沢についてを強く考えさせられる滞在でした。
1. 近代的な街、高輪ゲートウェイ
高輪ゲートウェイ駅に降りたのは、今回が初めてでした。
泉岳寺のあたりには行ったことがあったので、高輪ゲートウェイという存在自体は知っていました。 でも、実際に駅に降り立ってみると、印象はかなり違いました。
駅を出てすぐに広がっていたのが、ニュウマン高輪を含む巨大な複合施設群でした。 目の前に高輪ゲートウェイシティが広がっていて、最初に思ったのは、「またこんな街があったんだ」という感想でした。

素敵、という言い方もできるのですが、もっと正確に言うと、ハイテクで、進んでいる街という印象の方が近かったです。
しかも、人がものすごく多いわけでもない。 この日は日曜日だったので、もちろん子どもたちはいましたし、家族連れの姿もありました。 ただ、建物の中が表参道や原宿のように混み合っているかというと、まったくそんなことはありませんでした。 綺麗な噴水も広がっていて、空気感も良かったですし、また来たいと素直に思える街でした。
2. 入り口はひっそりと
高輪ゲートウェイシティをなぞるように歩いていくと、JWマリオットの入り口が現れます。
この入り口がまた印象的でした。

開発エリア全体には、高架下のような力強さがあるんです。 街全体が、これからさらに更新されていく途中にあるような、大きなエネルギーを持っています。 その中に、JWマリオットの入り口は、驚くほど静かに、ひっそりと佇んでいました。なんというか。この「街のスケール感」と「ホテルの静けさ」の対比がとても良かったです。
リッツカールトンと同じく、もっと分かりやすく主張してきてもいいはずなのに、ここもそうではなかったんです。 その感じが、どこか高級ホテルらしいなと思いました。
一方で、下の階から入ると、今度は広々とした大きな入口があり、水のゲートのような演出と高い天井が待っています。 街に対しては静かに開き、内部ではきちんとラグジュアリーの世界観を見せる構造でした。

3. モダンなエントランス
エレベーターで受付階に上がると、空気が一気に変わります。
一言で言えば、モダンです。
シックなモダンデザインの壁が続いていて、その先にグリフィンの像が置かれていました。 大きさでいえば30cmもないくらいだったと思います。 余白のある空間の中にちょこんと置かれていて、そこにだけ光が差している。
全体的には暗めのトーンなのに、その一点だけが照らされている感じがすごく神秘的で、静かな高級感を演出していました。 個人的な感想を言うと、ゼルダの伝説とかドラゴンクエスト7とか、その辺の世界観です。(やったことない人すみません)

華美ではないのに、ちゃんと印象に残る。 JWマリオットの空間づくりは、かなりそういうバランス感覚でできているんだろうなと思います。
4. ラウンジを覗いた時に感じたこと

そのままラウンジの方を覗いてみると、基本的には一般開放されているラウンジレストランのような空間が広がっていました。
以前聞いた話では、3割くらいが外国人だと聞いていたのですが、感覚的には、半分以上は外国人の方々がいたのではないかと思うくらいでした。 それくらい、空間全体に国際性がありました。
そして、やはり全体としてデザイン性が高い。 どこを切り取ってもモダンで洗練されているなと感じます。
ただ、その中で少しだけ引っかかったこともありました。
壁際に、JWマリオットのロゴが入ったペンやノート、袋のような購入できる商品が置かれていました。 これらの値段を見ると意外と1000円台で手に取れそうな価格帯だったんです。 もちろん、それ自体が悪いというわけではありません。でも、自分の中では少しだけ違和感がありました。
たぶんそれは、この場所に対して、自分が親近感を感じたくなかったからだと思います。 かなりの資金と思想を投じて作られたであろう空間だからこそ、簡単に手の届くものとして感じたくなかったのかもしれません。
価格の問題というより、距離感の問題でした。
5. その先に見えたレストランたち
ラウンジを見ながらさらに進んでいくと、天井の高いレストランがありました。

階段を降りた分だけ、そのまま天井の高さになっているようなつくりで、空間の抜け方がとてもきれいでした。 そのあたりも、さすがの設計で圧巻でした。
そして、日本料理の「先」がありました。 正式には Kappo Omakase SAKI という名前で、8席の割烹おまかせ空間として案内されています。

今回は行かなかったのですが、なんだかここはかなりインパクトが強かったです。 外観を見ただけで今度はここに来てみたいと素直に思えるお店でした。 まだ味を体験していないので何かを断言することはできませんが、少なくとも空間の力はかなりありました。
6. 客室に向かうまでに出会うモダン
受付を終えて、いよいよ部屋に向かいます。 ここで印象に残ったのが、客室へ向かうまでの通路のデザインでした。

いわゆる高級ホテルの通路、という感じではなく、もっと近未来的で、神秘的で、どこか水族館の中にいるような感覚がありました。 光の使い方も含めて、とても先進的です。
モダンとか近代的という言葉を何度も使っていますが、この通路はその象徴のような場所でした。 しかも、ただ格好いいだけではなく、道も分かりやすく、迷わず部屋までたどり着ける。 デザイン性と機能性のバランスが良かったです。
7. 部屋に入り最初に飛び込んできたもの
実際に部屋に入って、まず最初に目に入ったのは、大きな窓でした。

以前、リッツカールトンに泊まったときには、高層階だからか足元が見えないようにガラスの奥行きを作っている状態に関心した覚えがあるのですが、今回はそれが完全に杞憂に終わりました。笑
足元までガラス張りで、外がとても開けて見えます。景観全体を楽しめる設計が最高だったんです。
ただ、高さについては少し印象が違いました。
今回泊まった部屋は31階。 もちろん十分高層階ではあるのですが、以前泊まった51階のような、天空にいるような非現実感はそこまでありませんでした。
安心感のある高さ、という言い方が近いかもしれません。 ただ今回はシティビューだったので、もしベイサイドの海が見える部屋だったら、また印象は変わったかもしれません。 そこは今度見てみたいと思いました。
8. 部屋は無駄を削ぎ落としたモダン
部屋全体は、かなりモダンでした。
黒っぽい木材のスマートな質感が壁面に使われていて、高級感というより、スマートでモダンというイメージが強いです。 近代的で、無駄がなくて、かなりシンプル。
これは褒め言葉でもあるのですが、あえて酷評気味に言うなら、 「この余白とか、無駄なものこそが贅沢だよね」と感じていた部分まで、すべて合理的に研ぎ澄まされてしまった部屋、という印象でもありました。
使われないスペースがない。 無駄な家具もない。 すべてが整理されていて、 目的がはっきりしている。
それはすごく今っぽいし、完成度も高いです。 でも一方で、何をもって贅沢と感じるかという問いもここで出てきます。
無駄がないことは、快適です。 でも、使い切れない余白があることもまた、贅沢だったりします。
今回の贅沢は、明らかに前者でした。
9. 便利で快適な部屋
布団の心地よさはもちろん良かったです。
前回リッツカールトンの体験で衝撃を受けたドライヤーについても感想を入れておきますが、、 今回はダイソンで、とても使いやすかったです。
以前、レプロナイザーの良さがいまいち分からなかった、という話を書いたことがありましたが、今回は体験としてとても快適でした。
アメニティも良かったです。 洗顔や化粧水も注文して届けていただいたのですが、一つひとつ丁寧に分けられていて、ちゃんと手渡された感じがありました。 ブランドとしてはポーラの「ひととき」だったと思います。 ホテルアメニティとしては見かけるものかもしれませんが、今回に関しては、ちゃんと特別感がありました。
10. クラブラウンジで過ごした時間

部屋を出てすぐに、クラブラウンジに向かいました。
海の見える席に座ったのですが、ここもまた雰囲気がかなり変わります。 デザイン性の高い椅子と机、景観のいい窓際。 かなり優雅な時間が流れていました。
もちろん、完全なオーシャンビューというわけではなく、目の前に建物があったり、水道局の敷地が見えたりもします。 なので、海が大きく広がる、という感じではありません。 それでも、十分素晴らしい場所でした。

ただ、ずっとそこにいたかったかというと、そこは少し違いました。
キッチンの声や、スタッフさんのプライベートな楽しそうな会話が聞こえてきてしまったんです。 人が少ない時間帯だったので仕方ないのかもしれませんが、少しだけ残念でもありました。
以前、ラウンジで自然な会話が聞こえたことで、人間味や安心感につながったと感じた場面もありました。 でも、クラブラウンジのように静けさそのものが価値になる場所では、同じ現象でも少し違って聞こえてきます。
このあたりは本当に難しいところで、 人の温度が魅力になる瞬間もあれば、 逆に、その温度が空間の純度を下げてしまう瞬間もあるんだと思いました。
11. その後の食事に感情が揺れる
アフタヌーンティーは一旦楽しんでいたのですが、夕方以降はちゃんとした夕食の時間になり、いろいろ揃って出てきました。
一つひとつの野菜も美味しかったですし、お寿司もいただいて、とても満足しました。 揚げ物もシンプルながら完成度が高く、角煮も美味しかったです。


アルコールの品揃えもかなり多かったですし、全体としての料理の見た目、デザートの豊富さなどは素晴らしかったと思います。
ただ、ここで一つだけ、かなり正直に書いておきたいことがあります。
カレーについては、少し残念でした。
これは本当に個人の感覚なのですが、食べた瞬間に「お子様用のカレーっぽいな」と思ってしまったんです。 かなり甘めで、市販のカレールーで作ったような、親近感のある家庭の味に感じたのは事実でした。
あの金額を払って、しかも土鍋の器を見た瞬間にかなり期待していた中で、 一口目でかなり家庭的な雰囲気が出てしまうと、どうしても少し残念な気持ちになります。
ここはかなり好みが分かれると思います。 人によっては、むしろ安心する味と感じるかもしれません。
それでも今回は、率直な記録として残しておきたいと思いました。
何度も言いますが、全体としては本当に満足しています。 だからこそ、あえて優劣をつけるなら、という意味で書いています。
12. これぞJWマリオットと思えたプール
軽く食事をした後、プールに向かいました。


プールは間違いなくめちゃくちゃ良いです。 温泉もあるし、スパにはサウナもあるし、リラックスのための空間としては、かなり整っています。

ホテル公式でも indoor pool と SPA by JW を大きく打ち出していて、ブランドとしてもウェルネスはかなり中心に置かれているのだと思います。
しかも、利用には予約が必要なので、少しハードルがある分人が多すぎません。この少しの面倒が、結果として静けさを守っている部分もあるように感じました。
また、予約制のハードル以外にも、客層とのミスマッチもあるのかもと睨んでます。ラウンジで見かけた人らを思い返すと、比較的年齢層の高いご夫婦が多く見えました。 そう考えると、こうした方々が積極的にプールを利用するのかというと、少し疑問も出てきます。
スパ施設は素晴らしいです。ここで寝そべるだけで良い。 朝一も予約して、神秘的な空間でダラダラとリラックスした時間を過ごしてしまいました。笑


正直、このホテルに泊まって、ここを使わないのはかなり損だと思いました。
ただ、ホテル事業者目線で行くと、 実際には着替えが必要で、髪を乾かして、肌ケアをして、メイクを直して……と考えると、ホテルのプール需要というのは意外と限定的なのかもしれないとも思わされました。
13. 高層階にある意味は、思ったほど強くなかった
もう一つ、プールとスパで感じたことがあります。
それは、高層階にこのプールがあること自体の価値は、思ったほど大きくないのかもしれない、ということでした。(色々うるさくてすみません)
プールに入っている時も、温泉に入っている時も、見えるのは主に青空です。大きく景色が抜けているわけではない。
もちろん、高い場所にいるという事実は気持ちがいいです。 でも、それ自体が決定的な魅力になっているかというと、そこは少し違う気がしました。
極端に言えば、この気持ちよさは、別にそこまで高い場所でなくても成立するのではないか、とすら思いました。
つまり、このホテルのプールやスパの価値は、 絶景よりも、都内で、静かに、ちゃんと整えられること にあったのかなと、思いました。
そう考えると、JWのコンセプトとはズレてないですね。
14. 朝食はやっぱり日本食
最後にラウンジで朝食をとります。

まず純粋に、朝食は満足度が高かったです。 特に日本食は安定に美味しくて、やはり日本の魅力をしっかり感じられる時間でした。 派手さで驚かせるというより、一つひとつが丁寧で、ちゃんと美味しい。そういう安心感のある朝食だったと思います。
周囲を見ても、お米と味噌汁ととっている人の割合は、明らかに多かった印象です。
15. 最後に
今回のJWマリオット東京は、最高!だけでは終わらない、学びのある印象に残る滞在でした。
モダンで、近代的で、シックで、無駄がない。 いわば、令和の高級感を体現しているようなホテルです。
ブランドが掲げている mindfully な滞在や well-being という方向性も、空間の中にはかなり落とし込まれていたように思います。
一方で、自分にとっては、今回の滞在を通じて、 「何をもって贅沢とするのか」 という問いがよりはっきりしました。
整っていること。 無駄がないこと。 スマートであること。 それは間違いなく、今の時代の高級感です。
でも、自分にとっての贅沢は、もしかするとそこだけではない。
少し使い切れない余白。 少し過剰なくらいのゆとり。 意味のないように見える空間の贅沢。
そういうものにも、やはり惹かれているんだと思います。
だからこのホテルは、ただ「良かった」で終わる場所ではありませんでした。 むしろ、高級とは何か、贅沢とは何かを考えさせてくれるホテルでした。
もちろん、全体としておすすめです! 今回書いたのは、あくまで僕という人間がここまで生きてきた中で感じた、率直な感想です。 人によっては、JWマリオットこそ最高の贅沢だと感じるはずですし、その感覚もきっと正しいと思います。
だからこそ、気になった方は、ぜひ一度ご自身で行ってみてほしいです。
今回のレビューは以上です。 次回もまた、お楽しみに。