自社のホテルブランド創出に際して、現在の業界の解像度を高めるために、実際に顧客目線で体験してみようの企画。今回は、横浜・みなとみらいにある The Westin Yokohama に宿泊してきた。
空間の雰囲気を感じてもらえるようなコンセプトムービーを制作しましたので、ぜひご覧ください。
ホテルというのは、部屋の広さや設備だけで評価されるものではない。 むしろ重要なのは、滞在体験をどう設計しているかだと感じた。
そして今回、その設計の中心にあると感じたのが エグゼクティブラウンジだった。
今回の滞在は、単なるホテルレビューというよりも「ホテル体験の設計」を考える良い機会になったので、体験と考察をまとめてみたい。
1.ロビーの第1印象
ウェスティン横浜に入ってまず感じるのは、空間の余裕。
ロビーは天井が高く、光の入り方も柔らかくて、全体としてかなり落ち着いた雰囲気。 派手な豪華さというよりは、洗練された静けさがある。

チェックインカウンターの周辺も慌ただしい感じはなく、ホテルに入った瞬間から「少し日常から切り離された場所に来た」という感覚になる。
この“切り替え”がホテル体験ではかなり重要だと思う。
2.エグゼクティブスイートにアップグレード
今回予約していたのはデラックスキングだったのだが、チェックイン時にアップグレードされて エグゼクティブスイートになった。

Marriott Bonvoyの階級によって、状況によってはアップグレードが付いてくる。今回はその恩恵を受けることができた。
部屋に入った瞬間に感じるのは、やはり空間の広さ。

リビングスペースとベッドルームがしっかり分かれていて、 単に広いというよりも 「滞在のための部屋」という感じがする。

ホテルの部屋はどうしても「寝る場所」になりがちだが、 スイートになると 生活空間に近づく。
ソファに座って少し作業したり、窓の外の景色を眺めたり、 ホテルの部屋そのものを楽しむ時間が生まれる。
3.滞在体験を変えるエグゼクティブラウンジ
今回の滞在で一番印象に残ったのは、実は部屋よりも エグゼクティブラウンジだった。 スイートにアップグレードされたことで、ラウンジへのアクセス権がついてきた。


このラウンジは
- 朝食
- カフェタイム
- カクテルタイム
などの時間帯で利用できる。
そして何より良かったのは、常にアクセスできる空間であること。
例えば
- ちょっとコーヒーを飲みたい
- 炭酸水を飲みたい
- 部屋とは別で、広い場所でゆっくりしたい
そういうときにラウンジに行けばいい。
個人的だが、私は炭酸水をよく飲む。ウィルキンソンが常にあるのは嬉しかった。
ホテルの部屋は快適だが、どうしても閉じた空間になる。 ラウンジはそれよりも少し開かれた空間で、ソファやテーブルも広く、居心地がいい。
結果として、滞在中の活動の中心がラウンジになる。 これはホテル設計としてかなりうまいと思った。
4.ラウンジの食事のクオリティ
ラウンジの食事についても、正直想像以上だった。
最初は「軽食レベルかな」と思っていたのだが、 実際には普通にレストランレベルの料理が出てくる。

特に印象に残ったのが ポークカレー。 (写真は撮り忘れた)
スパイスがしっかり効いていて、ホテルの無難なカレーというより、ちゃんと香りの立つタイプのカレーだった。
ラウンジの食事というと「簡単なもの」のイメージがあったが、 ここは普通に満足度が高い。
そして朝食もラウンジで取ることができる。
普通に考えると、ホテルの朝食ビュッフェは 1人1万円弱くらいすることも多い。
それがラウンジアクセスに含まれていると思うと、 心理的にはかなり「得した感じ」が出る。
こういう設計が、ホテルブランドの体験を強くしているのだと思う。
5.日課のランニング
私は普段、朝のランニングが日課なのだが、今回の滞在においても、ホテルでシューズとウェアを借りることができたので、朝ランをすることにした。
シューズは On(オン) のものが貸し出されていて、非常に良かった。ホテルのレンタルシューズというとおまけ程度のイメージだったが、走りやすい一流メーカーのものを選定している。このランニングシューズだった。 https://www.on.com/ja-jp/shop/shoes/cloudmonster
そのまま 山下公園から赤レンガ倉庫周辺まで6kmほどランニング。

横浜の海沿いの景色を見ながら走るのは気持ちよく、 「旅行先での朝ラン」という体験自体が、ホテル滞在の価値を高めてくれる。

ウェアについては、Mizunoのジム向けの少ししっかりした素材のもので、 悪くはないが、ランニング用としては少し硬めの印象だった。
個人的にはシューズは問題ないが、 次回以降は ウェアは自分のものを持ってきてもいいかなという感じ。
6.ホテルは「宿泊」ではなく「体験」
今回の滞在で感じたのは、ホテルは単に寝る場所ではないということ。
重要なのは
- 部屋
- ラウンジ
- 共用空間
- 食事
- 運動(ランニング)
こういった要素が組み合わさってできる 滞在体験だ。
特にラウンジは面白い存在だと思う。
ホテルの中にある もう1つの世界のような空間で、 同じホテルに泊まっていても、ラウンジにアクセスできる人とそうでない人で体験が大きく変わる。
つまりホテルは、実は 階層構造のある体験を設計している。
その階層の1つ上に入った瞬間、 ホテルの見え方が一気に変わる。
今回の滞在は、まさにそれを実感した体験だった。
まとめ
The Westin Yokohamaの滞在を振り返ると、印象に残ったポイントはこのあたり。
- ロビーの空間設計が落ち着いていて洗練されている
- エグゼクティブスイートは滞在のための空間として快適
- エグゼクティブラウンジがホテル体験の中心になる
- ラウンジの食事のレベルが高い(特にポークカレーが美味しい)
結果として思ったのは、ホテルの満足度は 部屋だけではなく、アクセスできる空間で決まるということ。
ウェスティン横浜は、ホテル空間としてのデザイン性もさることながら、その設計がとても上手いホテルだった。
そして一度ラウンジ付きの滞在を体験すると、 また同じ体験をしたくなる。
ホテルブランドが人を惹きつける理由は、 こういうところにあるのだと思う。